あなたがヘビを苦手な本当の理由はこれかも!

ヘビは苦手ですか? わたしも苦手です。昔から世界各地の伝承や物語でも悪者になっていることが多いです。どうしてなのか知っていますか?

単に「天敵だから」というわけではなさそうです。「本能的、先天的にヘビが苦手なわけではなく、後天的に苦手になるのでは」という説もあるようです。

ヘビが持つ理由を5つのポイントにまとめてみました。

目次

他の動物とは違った異様な姿

ヘビには手足がありません。蜷局を巻き、異動は蛇行です。そんな動物が他にいるでしょうか。ミミズや寄生虫なんかも似たような姿をしていますが、ヘビよりも圧倒的に小さく、動きも遅いです。

手足がなく蛇行する特殊な生き物。型にはまらない特異な姿が、他の動物とは全く違った異様な印象を抱かせます。

しぶとく、復活を連想させる

ヘビはなかなか死にません。実際に胴体を切断されても動くようです……。「頭を潰さないとダメ」なんて怖い言葉も聞いたことがあります。

そしてパッとみただけでは個体さを見極めらづらいです。そのため、昔は1匹倒した後に周辺で同種の別のヘビを見かけた際に、「復活した」ように考えらることがありました。

また、脱皮をして傷を治していくので、生まれ変われるという印象も与えてきたようです。

狡猾な態度

同じ怖い動物でも、クマなどの猛獣とは違う怖さがありますよね。クマとかライオンには、「怪我をさせられる」「喰われる」みたいな。その獰猛さは、動物園でガラス越しに見ると「かっこいい!」になる。でもヘビは?ガラス越しでも「なんか嫌……」ってなりませんか。怖さの性質が違うんですよね。

ヘビの武器というと毒を連想しませんか。締め付けられるとか、キバとかじゃなくて、怖いのは毒じゃないですか? ほんの少しのキズで獲物を動けなくしてしまう、しかも体内に持っていてもヘビ自身には無害。魔術的なものに近い武器ですよね。

それに、とぐろを巻き鎌首をもたげて静かに様子をうかがう姿……なんかすごく頭が良さそうな感じがしません? ヘビのその狡猾そうな態度も、クマとかの猛獣とは違った怖さを作っています。

曖昧さから

日本のホラー映画って、海外のホラー映画とは違う怖さがあるようですね。性質の違う怖さが。結末が無い、どうなったのか分からない怖さが……。得たいの知れないもの、よく分からないものに、人間は怖さを抱くようです。

ヘビを見たことがある人や、ヘビに噛まれると毒をもらってしまうことを知ってる人は多いですよね。でもそれに対して、実際にヘビの被害にあった人は少ないはずです。あなたの周りにいますか? 噛まれて取り返しのつかない事態になった人は、近年ではほとんどいません。

ヘビを見ても、噛まれずその場から離れていく。何もなくやりすごされる。「びっくりした。あー、よかった」って。被害という結果がなく、恐怖だけを残していく。噂とか評判だけが大きくなっていて、実際どんな感じなのか、被害を受けていないから分からない。

曖昧な感じが、お化けとか幽霊みたいなものに似ているなーと感じました。都市部では、本物の野生のヘビを見たことない人も多いのではないかなと思いますし。

だから、存在イコール恐怖という状態なのかもしれません。

竜やドラゴンのモデルになっている

日本ではヘビは水辺に生息しているものが多いようです。川は巨大なヘビのような形です。川とヘビを関連づけた竜神のような存在が人々の間で語られます。

かつて防波堤がなかった時代、川は度々あふれて水田や人や建物をのみこみました。普段は恵みをもたらしてくれる川が、時に荒れ狂って大災害をもたらす。竜神という畏怖される存在が崇められるわけです。

西洋のドラゴンは、大きな手足がしっかりついていて恐竜のような体型です。西洋は日本とは川の形態が違い水田耕作もしません。そのため西洋のドラゴンは、ヘビと川との関連付けがされず、日本の竜とは異なる姿をしています。

火を吐いたり、空を飛んだり、地下を支配していたり。水とは違った属性のイメージのドラゴンが様々いますが、たいていヘビと関連付けて存在が作られたことが類推できます。

火を吐くのは、ヘビが舌を出す姿や、毒の痛みから生じた話らしいです。チロチロっと出る舌が火を連想させ、毒の痛みは焼けるような痛みということです。

ジャングルには木の枝から枝へ飛ぶヘビがいますね。空を飛ぶヘビです。

地面を素早く這ってすすみ、穴の中などにじっと潜んでいる姿は、地面の属性を窺わせます。

いずれにしても、その特異な姿と能力から、怖い存在として物語に登場してくることが多いです。

まとめ:ヘビは能力が高くて性質が悪い印象を与える

ヘビは、邪悪なドラゴンや畏怖される竜を創造するポテンシャルを備えています。ミミズやハリガネムシなど下等生物のように手足がない姿をしているのに……サイズも大きく素早く動けるし、時にはとぐろを巻いて鎌首をもたげ静かに様子をうかがう、できる奴っぽい。

能力が高くて性質が悪い感じがする……という曖昧な印象が、人を怖がらせているのではないでしょうか。

    

《参考文献》
近藤良樹『畏怖される龍・おろちのルーツ 神話・昔話の中の蛇たち』https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/ja/list/HU_journals/AA11643449/66/–/item/24888
『昔話・神話に見る蛇の役柄 知恵・生命・異性の象徴となる蛇』https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/ja/00033769

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