録音と生の音を聞き分けられる?テクノロジーvs耳の機能

昔と違って、録音の音質ってすごく良い物が多くなりましたよね。昔のテープレコーダー(?)なんかは、「サー、ザザッ」みたいな特有の音を放っていましたが。

今の録音は、元の音源と寸分違わないように感じるものもあります。そんな高性能の録音を、録音だと見抜くことはできるのでしょうか。

調べて、考えてみました。

目次

生で聞いて聞こえない音が、録音だと聞こえることがある

聞き取れなかった音があったとしても、その時に認知されなかっただけで、録音には記録されます。その録音を聞くと両方の音が聞き取れるらしいのです。

不思議ですね。

これには、音を拾う耳の機能だけでなく、脳の認知機能が関わっているらしいのです。

マスキング効果

マスキング効果というものがあります。ある音がある音をマスクして(覆い隠すようにして)聞こえにくくなる現象のことです。路上で会話をしていて、横を大型トラックが通って会話が聞こえない、みたいな。

実際に、音波がかき消えてしまうわけではありません。ヒトの耳は、複数の音を聞いたときに認知する優先順位みたいなものがあるようです。高音よりも低音を、小さい音よりも大きい音を、先になっていた音より後に鳴った音を、そして自然音より言語を、優先して認知します。

カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果というものもあります。色々な雑音がなる中でも、複数の人が話している中でも、一人の人の話を聞き取ることができる現象のことです。わたしたちは、複数の音の中から一つの音を集中して認識することができます。この時、他の音は雑音として認識の外に排除されます。無いものにできるというわけです。

録音だと働かない認知能力

ピンポイントで音を拾える人間の聴力はすごいですね。録音ではしっかりとすべての音が記録されます。後で、グラフを見ながら雑音を排除することができるようですが。

録音を聞いたとき、生の音を聞いたときと同じように、マスキング効果やカクテルパーティー効果といった脳の認知機能が働かないのが不思議です。多少はあるのでしょうが。

マスキング効果やカクテルパーティー効果が、耳で拾った音がどういう電気信号に変わって何で認識されるかなど、脳の認知機能のメカニズムは、未だに解明されていないようです。

音源の場所が違う

ヒトの耳は、けっこう正確に音源の場所を特定できるようです。耳が、頭部の左右に2つあることが正確な音源定位を可能にしているらしいです。

目も、正面にある2つあることによって、立体的に正確に物をとらえることができますもんね。

耳は、目よりも外側に(より離れた位置)にあり、外耳は後ろについていて、動かすことはできません。それゆえ、目よりも広範囲の情報を認識しますが、場所を特定する正確さでは目に劣ります。

ヒトは視覚優位の動物とされていて、聴覚よりも視覚を頼りに情報を認知します。鳥のさえずり音をスピーカーから流していて別の場所にそれらしい鳥が居るのを見ると、さえずり音が別の場所からの物だと耳が分かっても、脳は視覚情報にひっぱられてその鳥がさえずっているように認知します。

視覚情報にひっぱられがちということですね。でも、前後左右上下の音を感じることができますし、なんとなく方向も感知できます。そして、前方向は、より正確に立体的に音源の場所を特定できる構造になっています。

   

よって、複数の音が入った録音をひとつのスピーカーから流すような場合、それが録音だと認識できるのではないでしょうか。

音楽にしろ、会話にしろ、自然音にしろ、複数の音がある場合、それぞれの音源はそれぞれの場所から聞こえるものです。録音で、ひとつのスピーカーから流されたものだと、複数の音源かひとつの場所から発せられることになります。

逆を言えば、色々なスピーカーからそれぞれに音を出している場合には、録音だと見破るのはかなり難しくなるのではないでしょうか。

響き方が違う

周囲の環境によって同じ音でも聞こえ方が変わります。コンクリートのトンネルの中で発した声はめちゃくちゃ響きますが、布団の中で同じように声を出しても響きません。

録音した環境と全く同じ環境で、その録音を聞いても違和感はないかもしれません。ですが極端な話、コンクリートのトンネルの中で録音した音を、布団の中で流したら録音と分かりそうですね。

音響に詳しい人だと、音響のいい部屋(ドームとか)で録音した音を、音響の悪い部屋(窓が開いているクロス張りの部屋とか)で聞いたら録音だと見抜けそうです。「こんな風に聞こえるハズがない!」なんて。

つまり、音の響き方と周りの環境のミスマッチに気がつくことができると、録音を見抜くけるということです

結論:聞き分けることができる!

今回は、録音だとマスキング効果やカクテルパーティー効果が弱まること、音源定位、音響の3点に注目して考えてみました。他にも録音と生音を聞き分けるヒントはありそうですが……

ぽけーっと聞いていてもわからないかもしれませんが、注意深く聞いてみると分かるかもしれませんね。物や環境、人やその他の条件によって、程度の差は大きそうですが。理論上はまだ(今の技術では)、録音か生音かを聞き分けることができると言えそうです。

生音だと、複数の音をそれぞれ同時に聞いているというイメージで、録音だとひとつの音になった複雑な音を聞いている、といった認識を持って良いのかな……?

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